目標と目的の話

昨日をもって、2024年の店舗営業は無事に終了しました。
今年も多くの方に足を運んでいただき、本当にありがとうございました。
毎日パンを焼きながら皆さんの笑顔に出会えることが、私の原動力でした。
でも、実はまだ最後ではありません!
12月25日(水)の東松戸イベントが16時からありますので、年内最後にひとぱん工房のパンを楽しみたい方はぜひ遊びにいらしてください。
さて、前回の投稿で「好きなことを続けるために必要なお金の話」をしましたが、今回は「目標」についてお話ししたいと思います。
「目標」と聞くと、少し硬い印象を持つ方もいるかもしれません。
子どもの頃に学校で書かされた「夏休みの目標」や、達成しなければならない課題を思い出し、
「なんだか気が重いな」と感じる人もいるでしょう。
そんな方は、まず「目標」を「やりたいこと」と言い換えてみてください。
たとえば、子どもの頃、好きなテレビ番組やゲームに夢中になり、夜更かしをしてまで楽しんだ経験はありませんか。
それは、誰かに押し付けられたわけではなく、自分が本当にやりたかったことだからこそ、やめられなかったのです。
私にとっての「やりたいこと」、つまり目標は「自分のお店を持つこと」でした。
10代の終わりに飲食業界に飛び込み、「いつか必ず自分のお店を開業する」と心に決めてからは、その思いが私のエネルギーの源でした。
仕事が忙しくても、厳しい環境でも、その目標があったから頑張れたのです。
そして、2019年に念願だったひとぱん工房をオープンしました。
お客様に支えられ、お店は想像以上に大盛況。
夢が叶った喜びは言葉にできないほどでした。
ところが、ある日突然気づいたのです。
「次に何を目指せばいいのだろう?」
開業という長年の目標を達成した瞬間、それまでの情熱が急に失われたような感覚に襲われました。
振り返れば、私は開業を「人生のゴール」と捉えてしまっていたのです。
でも実際は、開業は「スタート地点」でした。
目標を達成したあとに訪れた「燃え尽き症候群」。
そのとき私は、自分に問いかけました。
「何のためにこのお店を開いたのか?」
ノートにひたすら書き出すことで、心の奥底にあった忘れていた想いが浮かび上がってきました。
それは、「国産小麦の美味しさを多くの人に知ってもらいたい」「日本の食料自給率を上げる一助になりたい」という願い。
これこそが、私がパン屋を始めた本当の理由だったのです。
この経験を通して、私は「目標」と「目的」の違いを学びました。
目標は、人生を前に進めるための具体的なステップのようなものです。
一方で目的は、そのステップの先にある「自分が成し遂げたいこと」。
目標を立てることは大切ですが、その背後にある目的を見失わないことがもっと大切だと気づきました。
目標を持つことで日々のモチベーションが生まれます。
それは、ゲームで次のステージをクリアしたくなる気持ちと似ています。
ただし、目標が達成された後に迷子にならないためには「目的」を常に意識し続ける必要があります。
私にとっての目的は、「国産小麦の美味しさを届けること」。
そして「日本の食を支える一助になること」です。
この目的があるからこそ、私は今日もパンを焼き続けることができます。
少し堅苦しい話になってしまいましたが、「好きなことを続けるために」悩んでいる方のヒントになれば、嬉しいです。
2025年もこの目的を胸に、より良いパンを作り、皆さまにお届けできるよう精進してまいります。