店舗経営していてクレーム詐欺?にあった話
今回は、限りなく確信犯に近い「クレーム詐欺」にあった話をしたいと思います。
あくまでも、私の体験談として、これから飲食店を開業しようと思っている方の勉強になれば幸いです。
営業中の突然の電話からはじまった
その出来事はオープンしてまだ数ヶ月の頃、お店の営業中に突然電話が鳴り、女性からのクレームで始まりました。
「ひとぱん工房で購入した、あんぱんを食べた子供の歯茎に、小さなプラスティック片が刺さって痛がっている」という、お母さんからの電話でした。
私は急な電話で慌ててしまい、電話口のお客様がまだ何も希望を言わないままに、お詫びする旨を伝えました。
今思うと、事実確認をしないまま、自分からどんどんお店側が悪いことをしてしまったと認めたような形に持っていってしまいました。
そのお客様が、「本当に自分のお店で利用した人かどうかを確認する」ことを、失礼がないよう最優先に実行ことです。
頭ごなしに怒るお客様もいらっしゃるかもしれませんが、まずは事実確認。
そして誠実なコミュニケーションが重要だと思います。
弱い立場として対応するのは、100%非が店舗にあったと納得してからでいいと思います。
それは決して失礼なことではありませんし、当たり前ですがお客様は神様ではありません。(笑)
そのお客様は、「購入を証明するレシートはない」とはっきりおっしゃっていて、ご来店の日にちも曖昧でした。
正直、当店が臨時休業していた週だったので、ご来店されたというのは怪しいのですが、疑うのは失礼だと思い、信じることにしました。
とにかく、お客様のご来店を証明する術がありませんでした。
電話があったのは、来店された辺りから1週間以上経っており、歯茎に何かが刺さってから日にちが経った今も子供の傷が治らず、腫れて痛いと説明されました。
刺さった日はしばらく泣いて、今も痛みも引かないとのこと。
勝手なイメージで、小さなお子様を怪我させてしまった上に、治りやすい口内が未だに治っていないという現状にゾッとしました。
ここで、お客様の困りごと、希望は何なのか?を冷静に確認する必要があったのですが、私はそれもすることができず、勝手に提案をしてしまいました。
閉店後に、直接お詫びにお伺いすることを約束し電話を切りました。
仕事中も心配になり、作業に集中できませんでした。
電話口のお客様に手間を取らせないため、ご自宅に伺うことを伝えると、(理由は忘れてしまいましたが)家ではなく最寄りの駅を指定されました。
名前は聞けたものの、電話番号は教えていただけず。
お金だけが消えていった夜
そして、待ち合わせの場所へ菓子折りを持って行くと、お客様お一人で来られました。
ご来店の証明ができないので、本当に歯茎が腫れていることを証明されるか、お子様と一緒かと思っていたので拍子抜けしていたのですが、お客様は母親というよりお祖母さんという年齢でした。
とても穏やかで、怒っている感じもなく、そこで私は、お子様の状態が最悪ではないのだとホッとしていました。
ひとぱん工房のパンが美味しかったこと、店の近くに妹が住んでいて、知り合いがあの周りに沢山いること。
美味しいことをみんなに伝えておく、というような内容を話してくれました。
そして歯茎からとったプラスティック破片(ピンセットで掴めるかどうかくらいの小ささ)というのを渡されました。
問題のあんぱんのあんこを入れていたタッパーはその日に確認して割れておらず、あんこ屋さんにも確認する必要があったのかもしれませんが、何より本当にひとぱん工房のあんぱんを買ったのかも証明できていないのだし、ここでお店側がお詫びすれば丸く済むことだと思いました。
そして、お客様は「これを買いました。これで、なんとか治そうとして、子供には治療してます」と言って、手に持っていた紙袋を広げてうがい薬のイソジンと、口内炎に塗る塗り薬の2種類を見せてくれました。
なぜイソジンで治そうしたのかは、わかりません。
私は正直、1週間も治らない歯茎の腫れをイソジンで治そうとしているんだろう?と思い心配になって「病院には行ってないのですか?治療費は負担しますので病院に行かれた方がいいと思うのですが」と言うと、「これで大丈夫」と、確信めいた感じで言われました。
私はそこでようやく騙されてるかも、ということに気がつきました。
なぜなら、そのイソジンは、最近買ったような新品なものではなく、ずっと使いまわしているような、古く色褪せて箱はボロボロで、劣化しているような感じでした。
そして、イソジンの量も最大量の商品を選んでいることも違和感でした。
そしてやはり、イソジンと塗り薬のレシートは持っていません。
「大体でいいのでいくらぐらいかかったか教えてもらえますか?お支払いします」と言うと、「多分3500円くらいだったと思う」と言われたので、多めに4000円支払いました。
正直、私は目の前のお客様が、多分嘘をついていて、何を言い出すかわからない、という不安に恐怖していました。
じゃあこれで、と私が言うと、突如「やっぱり治るか不安だわ」とその女性が言いました。
最初何を言ってるのかわからなくて、「病院行かれますか?」と聞きました。
「いや、これで治るんだけど(イソジンの袋を指して)、治るまでにこれが足りるかどうか、、どうしよう、買い足す必要があるかもしれないし、もう少しお金もらえませんか?」と言われました。
私は、ここで詐欺だったと確信したんですが、怖くて怖くてどうしようもなく、早くこの人から離れたい一心でじゃあこれで、と3000円、お金を追加しました。
お客様は納得できない様子で「うーん、うーん」としばらく唸っていたのですが、「まぁこの金額でいいです」と言われ、素早く立ち去っていきました。
やっと解放されて安堵しましたが、冷静になると、完全にヤラレた内容でした。
電話番号も住所もわからないので、被害届も出せないですし。
本当に何もわからないままお金だけ渡して終わってしまいました。
反省と教訓
本当に詐欺だったのかは証明できませんが、盲目的に人を信じてしまったことが、このような流れをつくってしまった原因かと思います。
でも、真摯に困ってる人に対しては、信じる立場でいたいので、自分を否定する気はありません。
前述したように、購入確認などのやるべきことをやってなかったのです。
今後は、例えば冷静になるために判断の時間を作る、必ず電話番号を聞いて折り返しの電話をする、来店証明を徹底的にするルールをつくる、本当に怪我をしているのかを証明する病院が発行した診断書を見せてもらう、など、失礼なく対処できるところはありますので、そこは抜かりなくやっていきます。
そして、その後はその女性からの連絡は一切ありませんでした。
お子様の怪我が本当だったとしても、治ったかも分からないです。
お店としてはオープンしてすぐって、お客さんとのトラブルって結構敏感になってしまいます。
(口コミに影響してしまうのではいかとか)
あのあと、プラスティック破片を知り合いの歯科衛生士の方に見てもらったんですが、歯科衛生士の方が言うには、こんな小さいもの歯茎に挟まったら自力では取れない、とのことです。
確かに納得、と思えるくらい小さな破片でした。
それがわかったところでどうしようもないのですが。
これからお店やる方は、こんなこともあるんだ、という程度に聞いていただければと思います。
レアケースだとは思いますが、悪いこと考える人は少なからずいますからね。
クレームは、お店にとってプラスなことが多いので、受け止めることは大事ですが、ただ1円を大切にして、1つ100円200円のパンを頑張って売ってるのに、数分の間に7000円を失ってしまうのは結構な被害でした。
自分のお店を守るためにも、冷静に対応していただければなと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。