新しいオーブンによるパンの変化【コンベクションオーブン】
ジャム兄:
さて、今日はお店の内装や雑務をやっているということなんですが、今目の前にあるこの布、これは何ですか?
ひとみ店長:
これは「クッシュ」って言って、発酵するためにパンを置くための布なんです。
キャンバス地っていう生地なんですけど、パンがくっつかずに作業しやすいんですよね。
ミシンで縫えていないところがあるので、それを直している感じです。
ジャム兄:
なるほど。最近お店に新しいオーブンを導入したって聞いたんですが、お客さんの反応はどうですか?
ひとみ店長:
そうですね、すごくポジティブな意見が9割くらいですね。
「いい風に変化したね」っていうお声をいただくので、ちょっとホッとしています。
ただ、自分自身ではまだまだ納得いかないところも多いので、そこを今後どう改善していくかが課題ですね。
ジャム兄:
具体的に、パンの変化としてはどんなところですか?
ひとみ店長:
食感が大きく変わったんですよ。
発酵時間が長くなったので、詰まった感じがなくなって、ふわっと軽くなったんです。
お客様が食べた時に、そういう違いを感じていただけるんじゃないかなと思います。
ジャム兄:
発酵時間が長くなったんですね!
ひとみ店長:
パン作りの工程で「パンチ」っていう作業があるんですが、これは一度生地を潰して成形し直す作業なんですね。
ただ、パンチをすると空気と一緒に香りも抜けてしまうんです。
今回は、そのパンチをせずにそのまま成形して焼くことで、香りがしっかり残って焼き上がるんです。
食べた時に、より熟成された香りや旨みを強く感じられるようになりました。
ジャム兄:
何も配合は変わってないのに、味や香りが変わるんですね。
ひとみ店長:
そうなんです。
粉の香りを一番ダイレクトに楽しむパンは「ストレート」と言って、発酵を長く取らないパンなんですよ。
例えば、インドのナンとかチャパティみたいな発酵させないパンですね。
ただ、発酵や熟成時間が長ければ長いほど、旨みや甘みは増していくんですけど、その代わり粉の香りは比例してどんどん落ちていくんです。
ジャム兄:
なるほど。じゃあ何を優先するかっていう話ですね。
ひとみ店長:
そうなんです。オーブンを変える前は、半ストレートという感じで、軽く生地を寝かせる「オーバーナイト製法」でやっていました。
生地の安定感や熟成感はあるものの、香りは少し落ちていたんです。
でも、今回は成形してから長時間発酵させる方法に変えたので、そこが一番の違いですね。
ジャム兄:
シンプルに言うと、発酵時間が長くなったってことか!
ひとみ店長:
そうです。その分、旨みが気泡の中に閉じ込められた状態になるんですよ。
本来なら寝かせてふわっとなった生地をまた潰して成形し直してから発酵させて焼くんですけど、今回はその潰す工程がないので、気泡がそのまま焼かれて大きくなり、熟成された味になるんです。
ジャム兄:
ってことは、中の気泡が粗くなったり、パンを切ってみると空洞が多かったりすることもあるんですね?
ひとみ店長:
そうですね。均一ではなく、ちょっと粗めになることもあります。
お客様の中にはそれを「大きな穴が開いている」と捉えて、損した気分になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ジャム兄:
スーパーやコンビニのパンだと、見た目が均一で綺麗だから余計に気になるのかも。
ひとみ店長:
そうなんですよね。
でも、そういった点も今後改善していきたいと思っています。
あと、表面が「梨肌」って言って、ポツポツが出ちゃうこともあるんです。
ジャム兄:
それはどうしてなんですか?
ひとみ店長:
長時間発酵すると低温で発酵させるんですが、そこから焼成する時に温度差が出てしまうのが原因と言われています。
でも、正確な原因はまだ分かっていないんですよね。
ジャム兄:
じゃあ、今後の課題は発酵の工程をどう改善するかってところですね。
ひとみ店長:
そうですね。オーブンを変えたこと自体はプラスでしかないので、今後は発酵段階を工夫していくことが大切かなと思います。
ジャム兄:
お店のレイアウトはどうですか?
ひとみ店長:
お客様から「広くなった」「品数が増えた」という声をいただいています。
確かに、陳列スペースは前よりも広くなったので、パンを選ぶ楽しみが増えればいいなと思っていますね。
ジャム兄:
今縫っているカバーは何ですか?
ひとみ店長:
これはお店中央の陳列台のカバーです。
本当は冷凍庫の上を作業台にしているんですけど、見た目を良くしようと思ってカバーを自分で塗っているんです。
少しでも安上がりに、素敵な内装にしようと頑張っています!
ジャム兄:
手作り感もあっていいですね!