パン屋経営者が語る成功の秘訣と人材マネジメント
これからパン屋さんを開きたくて、その為に美味しいパンを作るために修行してるんです、という人も「マーケティング」とか「マネジメント」を勉強していた方がいいとうことでしょうか?
そうですね。できれば無理ない範囲で並行に学んでおくのは得策だと思います。
パン屋修行から得られる経営者に必要なスキルとは?
戦略担当や人材マネージメント担当という人材を雇うのであれば話は別ですが、自分1人でやるということであれば、沢山の知識と経験が味方してくれます。
本や、動画で勉強するもいいですし、経営者の友人がいればアドバイスを求めてもいいかもしれません。
でも、なにより体験に勝るものはありません。
店舗での労働経験なく開業される方もいるかもしれませんが、パン屋さんでまずは働いてみるという方は、経営者になったつもりで、お店全体を客観的に把握することをお勧めします。
このことは、私も過去の私にアドバイスしたいくらいです。(笑)
私がパン屋修行していた頃は、全体を見るようなことはできてませんでしたが、「お店のダメな部分」を、自然と胸に刻んでいました。
修行先のパン屋さんの「ダメな例」を反面教師として覚えておく、ということですね。
例えば、人材マネージメントの例だと、辞めていく人、不満のある人のその不満理由を知ることはとても勉強になりました。
「人を雇って盛り上げたい」という目的が達成されない原因を、自分なりに探るのです。
「こんな厳しい職場なんだから辞めて当然か」と言って、自分以外の原因(職場環境など)にしてしまうとそれは思考停止で、解決策すら考えることもないでしょう。
朝が早すぎて起きれないので無理ですって言って辞めた人とか、理由が明らかに職場にない人は論外ですよ。(笑)
私の経験上、「この会社が大好き」って言って働いてる人はほぼいなかったです。
私自身もいつも不満を抱いてました。
どうしても飲食業界はブラックなので、あらゆる不満が出てきやすいのだとは思いますが、自分のも含め、その不満を覚えておくのは大事だと思います。
従業員の気持ちに寄り添えるか寄り添えないか、大きな差になると思いますね。
この人は何に対して不満を抱いていて辞めていったのか、もしくは何が支えになって頑張って続いてるのか。などを、修行時代の私は従業員でしたが客観的に見ることを、自然としてました。
その情報や体験は多ければ多いほど糧になるんじゃないかなと思います。
私がひとぱん工房を始めて、人を雇うことを決めて、面接をする時に気をつけてたことは、ひとぱん工房で働く意味をしっかりお互いに確認し合うっていうところです。
結局、途中で不満とかいろいろ出ちゃうのは、お互いにとって「働く理由」が明確じゃないからなんですよね。
私は(ひとぱん工房は)「こういう作業、仕事をしてもらいたくて雇いたいです、力になってもらえますか?」
また逆に、「あなたはなぜこの店で働きたいんですか?」
この部分をお互いが納得した上で気持ちよく働けますし、その後のトラブルも、ここに戻れば解決しやすかったりします。
私の経験上、スタッフが不満があって辞める時は、どちらか、または両方が、この理由を忘れてるんです。
もしくは、ないがしろにしたり、変な期待をさせていたり、または勘違いしてたり、と色々です。
人間なので、それが普通だと思いますが。
なるほど。結婚みたいな感じですね。
永遠に愛することを誓います、って約束して結婚してのに、結婚生活の中で、「夫の給料が悪い」とか、「ゴミ出ししてくれない」とか、「家に帰っても愚痴られるから帰りたくない」とか、思うようになってしまう。
永遠にお互いに愛することを誓ったことを思い出して、最初の時と何が変わったのか?を、コミュニケーションを通して一緒に紐解いていけば、解決するかもしれない。
結婚も雇用も人と人なので、ある意味一緒なのかもしれませんね。
コミュニケーションは、ひとりでは取れないですからね。
お互いが解決に向かうことを前提に話し合うことが大事ですね。
アルバイトでも「働く理由」を確認し合うことの重要性とは?
例えば、パンを学びたいという理由で入社された人に、パンの技術を全く教えることなくレジばかりやらせていたら、教えてくれないっていう不満出るのは当たり前ですよね。
スタッフが辞める前に不満を口にしてくれたら、まだ良い方です。
「あなたは学ぶために来てたのに教えれてなかったですね。ごめんなさい。では教えましょう。」とか、「レジが入るまで我慢してもらえますか?」という話し合いができるので、スタッフが辞めるということを防げる可能性が高くなるからです。
不満を知る事ができたら、あとはどこまで改善できるか、という話だと思います。
私の経験した修行店はどこも、まずスタッフが不満を伝える空気作りができていなかったこと、伝えても対応しないどころか、伝えたことに腹を立てて辞めるように仕向けたりしていました。
「なぜ人が続かないのか?」という課題がもし出てきた場合に備えて、経営者というリスクを取らなくても、雇われている時でも学べることは沢山あるはずです。
なのでアルバイトの人でも、「なぜここで働くのか?」の理由を、しっかりお互いに確認し合うようにしてます。
そして経営経験から、新しく気づいたことは、働く理由を確認し続けないといけないってことです。
それはなんで?
忘れてしまうことが多いからです。
経営者と従業員の目的がずれると起こる問題とは?
最初にお互いに確認したにもかかわらず、仕事していく中でどっちかが忘れちゃったり、両方忘れちゃったり。
お互いに人間なので、そのようなことはあると思います。
実際にそういうケースを経験しまして、その対策として考えた結果、常にことあることに確認していかないといけないと気づきました。
色々な人がいるので、もちろん確認がいらない人もいます。
私みたいにパンの技術を開業するために学びたくって入った人は、学ぶことが頭にあるので、理由が明確だし忘れるなんてことはないと思います。
逆に学ぶことのニーズを満たせなかったお店は辞められてしまいますが。
中には、目的はあったけどそれよりも目の前の嫌なこと、苦しいことにフォーカスがしてしまって、自分が何で入社したのか、自分はどうなりたくて今ここにいるのか、が分からなくなってしまう人もいます。
厄介なことは、本人も本来の目的を忘れてしまうので、あたかもそれらしい理由と不満を結びつけてしまって、解決への道から大きく外れてしまうんです。
お互い最初に振り返って、冷静に建設的な話ができれば道は開けるのですが、時間が多く流れすぎると、振り返ることを感情が許さなかったり、自己防衛のための理由が本当の理由だと信じこんでしまったり。
もう戻る道はない状態になったりします。
なので、お互いに本来の目的を忘れないためにも、「確認が必要だな」と感じたスタッフには、進捗を確認し続けること。
最初の入社理由が途中で変わったのならば、それも確認する。
その人の夢、理想が、今どのような状況なのか、前進しているのか、後退しているのか、何か力になれることはあるのか。
都度の語りかけが、人材マネージメントでは基礎になると思います。
そして経営者側も、今お店はどこに向かっているのか、そのために自分は何をしているのか、という報告の方はもっと大事ですね。
地味なことだとは思いますが、仕事が忙しいという言い訳で怠ってしまうと…どうなるでしょう。
経営者になってから、そのようなことを体験させてもらいました。
ひとぱん工房は、まだまだスタッフを沢山雇用したわけではないので、これからも、あらゆるパターンを経験するのかもしれませんが、改善しながら頑張っていきます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。