シュトーレンとライ麦パンの試作
ライ麦パンの試作について
ジャム兄:
何の試作をしてるんですか?
ライムギですね。ライムギ、おー、これ焼き上がったライムギパンですね。
ライムギ100%?
ひとみ店長:
ううん、100%ではないですね。まあ20%ぐらいかな。
ジャム兄:
白いのが分かりますかね。うちのライムギパンより白いかも。
ひとみ店長:
あー小麦が入ってるとね。
ジャム兄:
ライムギはちょっと灰色ってこと?
ひとみ店長:
そうそうそう。
で、初めてイーストではない力で、こんな風にパンが焼けました。
ジャム兄:
使ったのはサワー種だっけ?
ひとみ店長:
うん。自家製のサワー種。天然酵母っていわゆる言われてるやつ。
まあイーストも天然酵母なんだけど、ここの工房で立てて、さらに焼くまでしたってことね。
ジャム兄:
そうそうそう。
だから自家製ってことね、そういった意味で。どうですか? 食べてみて。
自家製サワー種の酸味
ひとみ店長:
うん。なんかね、ずっとサワーダネも作ったし、パンもこねたりしてるときも、すごい酸っぱい匂いがしてて、めっちゃ酸っぱいパンになるのかなって思ったら、今食べたら全然そんなことない。
あの、ひとぱん工房で売ってるライ麦パンと比べて全然違う。
ジャム兄:
あ、全然違うんだ。
ひとみ店長:
全然違う。まあ一応うちのライ麦パンは熊本製粉さんで取ってるライムギで、今回サワー種に使ったのも、この試作のやつも、ハンコックっていう北海道のオーガニックのライムギなの。
何よりサワー種の酸味とパンの味わいが全然違うので、別物のライムギパンです。
ひとみ店長:
ジャム兄も食べてみます?
ジャム兄:
はい、食べてみます。
ひとみ店長的にはこの出来栄えは?
ひとみ店長:
うん。
成功に入ります。めっちゃくちゃ美味しい。
ジャム兄:
あ、めちゃくちゃ美味しいんだ。
なんかそれを言わないから微妙なのかなと思って聞いてたけど。
ジャム兄:
全然酸っぱくないよ。でも酸っぱさゼロって言われたら、イーストに比べたらまあそうだね。
ちょっと噛み締めると、ほのかに酸味が下の上に感じるって感じだよね。
ひとみ店長:
うん。咀嚼していくと酸味が口の中に広がっていくって感じ。
ジャム兄:
あ、二度美味しいって感じだね。
最初は小麦っていうかライ麦の風味が口の中にわーっと広がって、その後噛んでいけば噛んでいくほど酸味が広がっていくって感じ。
じゃあこれでもう店売りするってこと? ライ麦は。
ジャム兄:
実際どうだった? サワー種は、普通のイーストと比べたら大変だった?
ひとみ店長:
そうだね。もうなんか、膨らむのかなとか気遣う感覚がすごい。
イーストは確実に膨らむから、よっぽど失敗はないんだけど、気温とかエサとか環境とか左右されるものが多すぎて、サワー種は。
レーズン入りライムギパンの挑戦
ジャム兄:
じゃあレーズンの方も食べてみましょう。もう一つの方ですね。
ひとみ店長:
これはほんとなんか、素材だけじゃなくてレーズンくるみ入れたらどうなるんだろうと思って途中で入れたんですよ。
ジャム兄:
生地は一緒だけど?
ひとみ店長:
生地はね、違う。また違う配合なんですね。
もうこっちはすごい手間がかかったの。あのレーズン入れた方ね。
トータルで16時間ぐらい寝かしては触って、寝かしては触ってっていう工程が組まれてて、もうちょっとこれは無理だなって感じ。
普通にやっててもなかなか営業しながらとか仕込みながら難しそうな感じね。
ジャム兄:
とりあえずまず試作として。
ひとみ店長:
美味しい。これ好きになってくれる人いると思うんだけどなー。
やっぱ見た目がごついと買ってくれないかな。硬いパンはなかなか売れにくいもんね。
ジャム兄:
じゃあ、ちょっといただきます。
ジャム兄:
うーん、レーズンが…やっぱブランデーかな、これ。お酒に浸かってるよね。
さっきのライ麦の酸味プラスお酒の風味が一緒に合わさって、これは大人の味ですね。
なんか最初は硬っ!って第一印象なんだけど、噛んでいけば噛んでいくほど、生地がそんなに表面だけしか硬くないから、中の生地は柔らかい。
だからどんどん噛んでいくと口の中でちょっとお酒の風味とサワー種の酸味が一緒になって、デザートに近いような、洋菓子に近いような、そんな味ですね。
ひとみ店長:
まあほんと甘くて柔らかいパン好きな人はなかなか手に取らないパンなんだろうね。
美味しいんだけどね。
ジャム兄:
うん。なんか美味しさがまた違うって感じかな。
ひとみ店長:
あ、そうだね、美味しさがまた違うね。
丸シュトーレンのこだわり
ジャム兄:
お、こちらは何ですか?
ひとみ店長:
シュトーレン焼けました。
ジャム兄:
おー、シュトーレンですね。形がちょっと違う? これは。
ひとみ店長:
丸シュトーレンにしました。
ジャム兄:
お、これは何につけてるんですか?
ひとみ店長:
バターですね。
ジャム兄:
バター? おー、こんなたっぷりバターにつけるんだね。
カロリーお化けですねこれは。てかてかボディービルダーの皮膚みたいな感じだね。笑
ひとみ店長:
私のシュトーレンもね、毎年買ってくださる方がいて、ピッタの味をって感じで楽しみにしてらっしゃるので。味自体はそんな変化はないです。
ジャム兄:
じゃあ去年と同じ?
ひとみ店長:
同じですね。
ジャム兄:
あ、栗が入ってるんだ。
ひとみ店長:
この丸シュトーレンには入ってます。
普通の小さいシトーレンは入ってないですね。
こっちの細長い方ね。少しシュトーレンをお手頃の価格で、シュトーレン食べたことない方にもね。
ジャム兄:
シュトーレンってなんか高いイメージだよね。
ひとみ店長:
そうですね。どこでも1000円越えというか2000円とか、もっと高いと3~4000円とかするよね。
パン屋さんが考えたクリスマスケーキなんですけど、最近だと紀ノ国屋とかスターバックスとかでもシトーレンを売ってるイメージですが、いい値段するので。
ジャム兄:
確かにいい値段しますよね。サイズを抑えて。
ひとみ店長:
これ去年と比べると、サイズちっちゃくした。
ジャム兄:
百貨店とか行くとさ、1万円くらいのシトーレンとかあるじゃん。
あれも原材料がかかってるってこと? それかブランド価値ってこと?
ひとみ店長:
どうなんでしょうね。
材料は何を使ってるのか分からないですけど、うちとかは素材はすごくいいものというかシンプルなものって感じなので、すごい市場で高いもの使ってるわけではないんですよね。
標準もないもの、高いものがいいものじゃないっていうのかな。
ちょっと割り増しみたいな感じ。
これがうちでいうシンプルで体に負担がないかなって思ってるので、そこまで原価が圧迫することってないんです。
バターがすごい高騰しちゃって、バター圧迫するのはあるんですけど、パン屋さんなんで業者価格で買えてはいると思うんです。
ジャム兄:
このシュトーレンはおいくら万円で売る予定なんですか?
ひとみ店長:
これは1500円で売ろうかなって思ってます。