米粉パンの作り方についてお話します。
ひとぱん工房の魅力は何?
1月に実施したアンケート「ひとぱん工房の魅力はなんですか?」の質問に、
パンのセンスが良い!って書いてくださったお客様がいました。
ありがとうございます^^嬉しい!
ひとみ店長は、食べたくなる見た目とか、気をつけていることとかあるんですか?
それが実は、、見た目とかはさして重要だとは思ってなくて。笑
こんなパン食べたいな、というのをただ形にしているだけなんです。
そんなセンスなんて、大したことありませんよ^^;
あとはお客様からリクエストいただいたパンとかですね。
作れそうだな、っと思ったら出たりします。
米粉パンの作り方
最近だと、米粉パンのリクエスト多いよね。
多いですね、現在はお断りしてるんですけど。ニーズは多いですね。
米粉パンは作らないの?
ひとみ店長は、米粉パンは作らないんですか??
作れないこともないのかなと思うんですが。
今まで修行してきた中で米粉のパンを作っているパン屋さんが1件もなくて、製造経験はあるか?と言われたらないので独学になっちゃうんです。
小麦粉と米粉って性質が全然違うので、ただこねて酵母の力で膨らまして焼けばいい、という感じではないのは知ってます。
美味しい米粉パンにするには、製法を大きく変える必要があるみたいですね。
小麦粉と米粉の違い
小麦粉と米粉ってどういった違いがあるんですか?
小麦にはグルテンがあるんです。グルテンの役割は支え、コシ、業界用語ですが「進展性」です。
だからしっかり生地として扱えて、ガスによって膨らんでんでも、支えと伸びによって形が維持され焼き上がります。
ガスが多いということは、食感がよくふわふわしている、ということです。
一方、米粉はグルテンがないのでコシがありません。
グルテンを避けたい人や、小麦アレルギーの人が米粉パンを求められるんですけど、グルテンがないとガスの支えがないので、気泡の荒い詰まったパンになります。
加えて、米はベータ化が早いのでパンという加工品には向いていません。
無理やり感は否めません。
ベータ化とは?
ベータ化とはなんですか?
炊いたご飯を、そのまま空気にさらしていると、すぐにカピカピになりますよね。
それがベータ化です。
逆にそのお米を水に浸けて火にかけると、元に戻りますね?
それがアルファ化です。
市販のサトウの切り餅とかりますよね。
あの商品はベータ化により腐敗するための水分がない状態になるので、保存料なく長期に食べることができるんです。
以前にもお話ししたかもしれませんが、特に柔らかいパンなどは、油脂を高配合することによってパンの中に含まれる水分の揮発、乾燥を防ぐので、劣化しにくいです。
米粉に当てはめれば、ふわふわの米粉パンができるのでは?と思うのですが、そう簡単にはいきません。
油脂により劣化を防げても、生地に進展性がないので、膨らもうとするガスを支える膜が伸びません。
結果、焼き上げると柔らかいけど「ねっちり」した米粉の塊になる、というのが私のイメージです。
その進展性を出すためにグルテンを添加するやり方とかもあります。
ご飯が嫌いで米もパンで食べたいという人ならいいかもしれませんが、これだとグルテンフリーを求めている人には意味がありませんね。
企業努力で作っている米粉パンのお店はある
でも、世の中には美味しい米粉パンを焼いている人は多いみたいですし、専門店も聞いたことがあります。
きっと、パンのように焼けるような工夫がいくつもあるのだと思います。(製法は企業秘密だとは思いますが)
私の知ってる範囲では、気泡を消さないように進展性を上げるのではなく、生地の水分値を上げて液体生地で焼き上げる方法です。
他には、液体のような柔らかい生地をサイリウムなどの凝固剤で固め、焼く方法などです。
どちらも、難しい生地の見極めを要しますし、ひとぱん工房の普段の業務的な流れの中で作業を組み込むのが難しいというのが現状です。
それが理由で米粉パンは、断っているんです。(ごめんなさい)
美味しくないと意味がないですしね。
また、美味しく焼けたとしても小麦パンのように翌日も変わらず食べれるか?と言われたら、劣化が早いので怪しいです。
お客さまも小麦パンの感覚で米粉パンを食べようとしたら、パサパサで崩れてしまって美味しくなかった。ともなりかねません。
食べる側にも状態を維持する気遣い、努力が必要になる。
無理やり感はやはり否めませんね。
小麦パンとなんの遜色もない米粉パンがあったら、それは奇跡かもしれません。
実は、専門店の米粉パンとか食べたことないんです。
もしかしたら想像の斜め上かもしれません!
一回米粉パン研究をしてみたいですね。
小麦50%米粉50%ぐらいだったら、全然すぐにでも作れるんですが(笑)
米粉100%で!となると、、勉強と特訓の必要がありますね。
販売約束はできませんが、研究、試作はやりましょう。
今回もありがとうございました。