人気カフェNo.4訪問レポート!ひとぱん工房店長が学んだパン作りの奥深さとは?

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今回は、以前からずっと行きたかった東京の人気カフェ「No.4」さんを訪問した際のレポートをお届けします。No.4さんは、私がライ麦パン(ロブロ)を作る上で、とても参考にさせていただいたお店なんです。

実際に訪れてみると、パンの種類はもちろん、湯種(ゆだね)製法高加水(こうかすい)といった技術へのこだわりに感動!特にライ麦パンサワー種を使ったパン、そしてしっとり美味しい菓子パン焼き菓子まで、たくさんの発見と学びがありました。

この記事では、No.4さんでいただいたパンやお料理の感想、そして私が感じたパン作りのヒントなどを詳しくご紹介していきます。パンがお好きな方、カフェ巡りがお好きな方に楽しんでいただけたら嬉しいです。

目標のカフェ「No.4」さんへ!訪問のきっかけ

東京市ケ谷No.4

今回私が訪れたのは、東京にある「No.4」さんという、とってもおしゃれで人気のカフェベーカリーです。

実はこのNo.4さん、私にとって特別な思い入れのあるお店なんです。以前、北海道の製粉会社アグリシステムさん主催のパンの勉強会に参加した際、No.4さんがライ麦パンの一種である「ロブロ」を出品されていました。その時までロブロを食べたことも見たこともなかった私は、No.4さんのロブロを初めて口にして、「なんて美味しいんだろう!」と衝撃を受けたんです。

当時の「ひとぱん工房」ではまだライ麦パンを作っていませんでしたが、No.4さんのパンを目標に、そして「正解」の基準として参考にさせていただきながら、試作を重ねてきました。

そんな経緯もあって、ずっと「いつかお店に伺いたい!」と思っていたNo.4さん。念願かなって、ついにお店を訪問することができました!せっかくなので、パンのテイクアウトだけでなく、イートインスペースでお食事もいただくことに。ドキドキしながらお店に入りました。

No.4さんのパンを実食!まずは「湯種ロブロ」から

お店に入ると、美味しそうなパンがたくさん!その中でも、まず目に飛び込んできたのが、あの「湯種(ゆだね)ロブロ」です。

「湯種」というのは、小麦粉やライ麦粉の一部に熱湯を加えて混ぜ、一晩寝かせる製法のこと。こうすることでデンプンが糊化(アルファ化)し、パン生地がたくさんの水分を抱え込めるようになるんです。結果として、しっとり、もっちりとした食感が長持ちするパンに仕上がります。ひとぱん工房の米粉パンにも、この湯種製法を取り入れているんですよ。

No.4さんのロブロは、北海道産のオーガニックライ麦を使っているとのこと。ひとぱん工房で使っているライ麦と同じですね。見た目には、黒っぽい粒々…これはケシの実でしょうか。香ばしさをプラスしてくれますね。他にも、かぼちゃの種ナッツ(くるみ?ヘーゼルナッツ?)のようなものも入っていて、具沢山な印象です。

早速、一口いただいてみます…。

うん、美味しい!しっかりとしたサワー種(天然酵母)の酸味を感じます。私が作るひとぱん工房のロブロは、素材の甘みやゴロゴロ感を楽しむタイプなので、また味わいが違います。No.4さんのロブロは、酸味が心地よくて、パンそのものの味わいが深い感じ。そのままでも十分美味しいですが、チーズやハム、野菜などを乗せてオープンサンドにしたら、さらに美味しさが引き立ちそうです。主役にもなれるし、名脇役にもなれる、そんなロブロだなと感じました。

ジャム兄も一緒に食べたのですが、「ひとぱん工房のロブロより、もっとパンらしいしっとり感があるね」と言っていました。湯種製法ならではの、しっとりとした口当たりが印象的でした。

キラキラ高加水!サワードゥ(ライ麦パン)も絶品

東京市ケ谷No.4

次にいただいたのは、「サワードゥ」と書かれたパン。これもサワー種を使ったライ麦パン

表面がキラキラしていて、見るからに水分たっぷりなのが分かります。これは「高加水(こうかすい)」のパンの特徴ですね。高加水とは、その名の通り、生地に含まれる水分量が非常に多いパンのこと。一般的にパンの水分量は粉の60〜70%程度ですが、高加水パンは80%を超えることもあります。みずみずしく、もちもちとした食感になるのが特徴です。

先ほどのロブロはおそらくライ麦100%に近い配合だと思うのですが、こちらのサワードゥは小麦粉も使われているようで、よりパンらしい軽さも感じられます。表面にはオーツ麦や、ライ麦を粗く砕いた「シュロート」と呼ばれるものがぎっしり付いています。シュロートが入ることで、ライ麦の風味や食感がより豊かになります。

さて、お味は…?

皮はパリッとしているのに、中は驚くほどしっとり、もっちり!ライ麦パンというと、少しパサついたり、重かったりするイメージがあるかもしれませんが、このサワードゥは全然違います。すごく食べやすい!柔らかくて、口の中でスッと溶けるような感覚さえあります。

そして、後から追いかけてくるしっかりとした酸味。先ほどのロブロよりも酸味が強く感じられましたが、これがまたクセになる味わい。「これぞライ麦パン!」という感じで、酸味のあるパンがお好きな方にはたまらないと思います。噛みしめるほどに味わい深さが増して、後を引く美味しさでした。

パンだけじゃない!デリや他のパンも魅力的

東京市ケ谷No.4

No.4さんでは、パンに合うデリ(お惣菜)のセットもいただきました。
「3種類のデリと当店自慢のパンのセット」とのこと。

  • ナッツが入ったデリ
  • インゲン豆とレンズ豆のデリ(レンズ豆はヨーロッパではお金の形に似ていることから縁起物とされているそうですよ!)
  • ジャガイモとバジルのデリ

どれも素材の味が生きていて、パンとの相性も抜群でした。

セットについてきたパンは、テイクアウトでも販売されている食パンなど。こちらも高加水をうたっているだけあって、表面がツヤツヤ!プレーンなトースト、全粒粉のトーストなどをいただきましたが、どれも驚くほど柔らかく、口どけが良いんです。「ひきがない」というか、口の中でスッと消えていくような軽やかさ。全粒粉のパンも、特有の香りはありつつ、とても食べやすかったです。

ドリンクは、クラフトジンジャーエールを注文。どちらもスパイス(特にクローブ)が効いていて、ピリッと刺激的!甘すぎず、大人の味わいで、パンにもよく合いました。自家製でしょうか、こだわりを感じます。

日本のパンも発見!しっとり「牛乳湯種」のメロンパン

No.4さんのパンは、ライ麦パンやサワードゥなど、どちらかというとハード系で、小麦の味わいをしっかり楽しむタイプのパンが多い印象でした。でも、ちゃんと日本のパン屋さんらしい、あんパンやメロンパンといった菓子パンも置いてあるんです。

菓子パン生地には、「牛乳の湯種」が使われているとのこと。これも気になりますよね!クリームパンやあんパンも美味しそうでしたが、生地そのものの味を確かめたくて、一番シンプルなメロンパンを選んでみました。

見た目は、やはりツヤツヤ!ここにも高加水の技術が活かされているようです。生地は少し黄色がかっています。北海道産の「ゆめちから」のような、黄色みがかった小麦粉を使っているのかもしれませんね。

割ってみると、中も驚くほどしっとり。高加水のパンって、時々「ちょっと生っぽいかな?」と感じるくらい、みずみずしいんですよね。

食べてみると、パン生地自体の甘さは控えめ。上のクッキー生地の甘さと合わさって、ちょうど良いバランスになっています。そして、何より口どけの良さにびっくり!パサつきが全くないので、飲み物がなくてもパクパク食べられてしまいそうです。

ハード系のパンは粉の味をしっかり、ソフト系のパンはしっとり優しい口どけを。湯種製法を巧みに使い分けて、それぞれのパンの個性を最大限に引き出しているんだなと感じました。

焼き菓子も本格的!「ガトーバスク」に感動

東京市ケ谷No.4

No.4さんは、パンだけでなく焼き菓子も充実していました。レジ横には、最近流行りのチャンククッキーや、大きめのフィナンシェなどが並びます。フィナンシェも、よくある四角い形ではなく、丸い型で焼かれているようでした。

その中で私が特に気になったのが、「ガトーバスク」。フランスとスペインにまたがるバスク地方の伝統的なお菓子です。No.4さんのは、グリオットチェリーが入っているタイプでした。

グリオットチェリーというのは、酸味の強いさくらんぼの一種。日本ではあまり生で見かけることは少ないかもしれませんが、焼き菓子やジャム、シロップ漬けなどによく使われます。

このガトーバスクが、また絶品で…!
外側はサクッとしたバターたっぷりの厚焼きクッキーのような生地。中には、アーモンドプードルがたっぷり入った、しっとりとしたダマンドクリーム(アーモンドクリーム)と、甘酸っぱいグリオットチェリーがぎっしり詰まっています。

クリームは結構甘めなのですが、グリオットチェリーのしっかりした酸味が全体を引き締めていて、甘さと酸味のバランスが絶妙!これは美味しい…!コーヒーが欲しくなる、濃厚な味わいです。

焼き菓子にも手を抜かない、本格的な姿勢が伝わってきました。使っている焼き型も、色々な種類のお菓子に活用されているようでした。こういう工夫も、お店を運営する上で参考になりますね。

まとめ:たくさんの学びと刺激をいただきました!

今回、念願だったNo.4さんを訪問して、本当にたくさんの学びと刺激をいただきました。

湯種製法高加水といった技術への深いこだわり、ライ麦サワー種といった素材の活かし方、ハード系からソフト系、焼き菓子まで、幅広いラインナップ高いクオリティ。そして、おしゃれでありながら居心地の良いお店の雰囲気。

ひとぱん工房のパン作りにも、すぐに活かせるヒントがたくさんありました。特に、湯種製法は、米粉パンだけでなく他のパンにも応用できそうです。

No.4さんのように、お客様に「美味しい!」と感動していただけるパン、そして心地よい時間を過ごしていただけるお店を目指して、私ももっともっと頑張っていこうと思います!

皆さんも、もし東京方面へ行かれる機会があれば、ぜひNo.4さんに立ち寄ってみてくださいね。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた!おつぱんでーす!

\ 国産小麦のパンを全国へ /

ひとぱん工房の冷凍便

オンラインショップでは、店舗でしか味わえなかった手作りパンを「冷凍」でお届けいたします。
冷凍だからこそ、風味を極力逃さずに遠方の方でも焼きたてのような味わいをそのままにお楽しみいただけます。
お好きな時にオーブンやトースターで温めれば、国産小麦が香るふんわり食感をお家で再現可能です。

ABOUT ME
ひとぱん工房
ひとぱん工房
国産小麦100%のパン屋
国産小麦100%にこだわり、熊本と北海道から厳選した小麦を使用する「ひとぱん工房」は、毎週土曜と日曜日のみオープンする手作りパンのお店です。東京や大阪の有名店で10年以上修行を積んだ女性店長が、香り高い素材を引き立てるこだわりの製法で丁寧に焼き上げています。砂糖はミネラル豊富な鹿児島県産の粗糖、塩には沖縄県産のシママースを使用し、素材の旨みを最大限に引き出したパンをお届けします。小麦の豊かな風味とふんわりとした食感が特徴で、どれも素材本来の味わいを存分に感じられると思います。
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