【梨泰院】韓国の最新トレンドを現地調査!おしゃれで可愛いパンのヒントを探す研修旅行へ行ってきました
こんにちは!100%国産小麦を愛する「ひとぱん工房」のひとみ店長です。
今回は、お店のスタッフと一緒に2泊3日の研修旅行で韓国のソウルへ行ってきました!
この旅行の目的は、東松戸にオープン予定の新店舗に向けたアイディアや、これからの「ひとぱん工房」のパン作りの新しいヒントを得るため。
日本のパン文化とはひと味違う、韓国ならではの魅力やトレンドを肌で感じてきました。
この記事では、
- 韓国のパン屋さんの驚きの特徴(サイズ、価格、見せ方)
- まるでテーマパーク!な世界観の作り方
- 話題のエリア「梨泰院(イテウォン)」で訪れた素敵なお店
- 日本と韓国のパン文化の違い
- 研修旅行で得たこれからのパン作りのヒント
など、盛りだくさんの内容でお届けします。
実際に見て、食べて、感じたリアルな情報が、パン好きのあなたや、韓国旅行を計画している方の参考になれば嬉しいです。ぜひ最後までお付き合いください。
新しいヒントを求めて!いざ韓国ソウルへ研修旅行

実は先日、お店の定休日を利用して、スタッフの皆さんと一緒に韓国のソウルへ2泊3日の研修旅行に行ってきました。
目的は、東松戸での新店舗オープンに向けて新しいアイデアやヒントを得ること。そして、いつも来てくださるお客様にもっと喜んでいただけるような、新しいパンを生み出すための刺激を受けるためです。
日本とはまた違ったパン文化を持つ韓国で、今どんなパンが流行っているのか、どんなお店が人気なのかを実際にこの目で見て、肌で感じたい!そんな思いで、たくさんのパン屋さんを巡ってきました。
今回のブログでは、その研修旅行で発見した驚きや感動、そしてこれからの「ひとぱん工房」に活かしていきたい学びについて、たっぷりとレポートしたいと思います。
韓国のパン屋さんは「見せ方」がすごい!まるでテーマパークのような空間

韓国に到着してパン屋さんを巡り始めて、まず最初に感じたのは、「見せ方がとにかく上手!」ということでした。
これはパン屋さんに限らず、お菓子屋さんやカフェなど、街のいたるところで感じた韓国の大きな特徴です。
思わず歓声!心ときめくディスプレイと世界観
韓国の人気ベーカリーに一歩足を踏み入れると、まるでテーマパークのアトラクションに迷い込んだかのような、徹底的に作り込まれた世界観に圧倒されます。
例えば、ディズニーランドの特定のエリアに入ると、建物や音楽、小さな小道具まで、すべてがそのテーマに沿って作られていて、一瞬で物語の世界に引き込まれますよね。韓国のパン屋さんも、まさにそんな感じなんです。
お店のコンセプトが明確で、内装や陳列棚、照明、POPの一つひとつにまでこだわりが感じられます。パンそのもののデコレーションもとても華やかで、「わー、可愛い!」「これ、どんな味がするんだろう?」と、見ているだけでワクワクしてくるんです。
この「感動体験」こそが、多くの人々、特に若い女性を惹きつける大きな理由なのだと感じました。
サイズは大きく、価格もプレミアム
もう一つ驚いたのが、パンのサイズと価格です。
韓国のパンは、日本のものに比べてかなり大きいのが特徴。一つでお腹がいっぱいになってしまうような、ボリューム満点のものがたくさん並んでいました。
その分、価格も少しお高め。一つのパンが700円、800円、中には900円以上するものも珍しくありません。日本の感覚からすると少し高く感じるかもしれませんが、その大きさと、クリームや具材をふんだんに使った手間のかけ方を考えれば、納得できる価格設定なのかもしれません。
味の決め手は「足し算」の美味しさ

肝心の味についても、日本との違いを感じました。
もちろん、どのパンもとても美味しかったのですが、小麦の風味をじっくり味わうというよりは、素材の「組み合わせ」で驚きや楽しさを生み出すスタイルが主流のようです。
例えば、
- たっぷりのクリームチーズ
- 生ハムや野菜を使ったたっぷり具材
- 色鮮やかなジャムやソース
など、様々な素材を「プラス、プラス」していくことで、華やかで満足感のある味わいを作り出していました。
これは、パン生地そのものの繊細な味や香りを大切にする私のパン作りとは、また違ったアプローチでとても興味深かったです。
【実食レポ】国際色豊かな街「梨泰院(イテウォン)」のパン屋さん巡り
今回の旅行1日目では、人気ドラマ『梨泰院クラス』の舞台にもなった、国際色豊かなエリア「梨泰院(イテウォン)」を中心に散策しました。
梨泰院は、世界各国の料理店やおしゃれなカフェが集まる、流行の発信地。大使館なども多く、様々な国の人々が行き交う活気のある街です。そんな梨泰院で見つけた、素敵なお店を2軒ご紹介しますね。
① The Bakers Table(ザ・ベイカーズテーブル):本場ドイツの味を堪能

最初に訪れたのは、ドイツ人オーナーが30年近く営んでいるという「The Bakers Table」。
ここは、サワー種(サワードウ)を使った本格的なドイツパンが味わえるお店です。サワー種とは、小麦やライ麦の粉と水を混ぜて作る伝統的な天然酵母のことで、独特の酸味と深い風味が特徴なんですよ。
店内には、ずっしりと重みのあるライ麦パンや、ハード系のパンがたくさん並んでいて、まるでドイツのパン屋さんに来たかのようでした。
私たちは、シンプルなパンとデニッシュ、クロワッサンなどをいただきましたが、どれも小麦の味がしっかりと感じられて、とても美味しかったです。
韓国にいながら、ヨーロッパの本格的なパンを味わえる貴重な体験でした。
② O Tigelle(オーティゲール):新感覚のホットサンド専門店

次に向かったのは、「O Tigelle(オーティゲール)」というお店。
ここは、生ハムやサラミなどの加工肉を、専用のパンに挟んで提供するサンドイッチの専門店でした。見た目はイングリッシュマフィンのようでもあり、パンケーキのようでもある、不思議なホットサンドです。
ショーケースには、パンチェッタやモルタデッラなど、様々な種類の自家製ハムがずらり。注文すると、その場でスライスしたての加工肉をパンに挟んでくれます。
私たちがいただいたサンドイッチは、主役であるハムの塩気や旨みを引き立てるように、パン自体はあえて薄めに作られていました。主張しすぎず、それでいて香ばしい。絶妙なバランスがたまりませんでした。
面白いなと思ったのが、このお店で使われていた小麦粉です。おそらく、イタリアの「カプート社」というピザ用の小麦粉を使っているようでした。
カプート社の小麦粉は、灰分(かいぶん)、つまりミネラル分が多く含まれているのが特徴です。この灰分が多いと、小麦の風味が豊かになり、焼き上がりに独特の香ばしさが生まれます。
本来は、300℃以上の高温になる石窯で一気に焼き上げることで、外はパリッと、中はもちっとした最高の食感を引き出せる粉なのですが、こちらのお店のパンは焼き色が比較的穏やかでした。
おそらく、ピザのように折りたたんで食べるような、軽やかで歯切れの良い食感を出すために、あえてこの粉を選んでいるのかもしれません。コンセプトに合わせて材料を選ぶ、そんなこだわりが感じられる一皿でした。

日本と韓国、それぞれのパン文化の魅力
今回の研修旅行を通して、韓国のパン文化の勢いと魅力を強く感じると同時に、改めて日本のパンの良さにも気づかされました。
韓国のパンが、見た目の華やかさや意外な組み合わせで「ワクワクする感動体験」を提供するエンターテイメントだとしたら、日本のパンは、毎日食べても飽きない「暮らしに寄り添う安心感」が魅力だと思います。
- 繊細な技術で焼き上げられた、きめ細やかな生地
- 「これを食べたら、きっとこの味がする」という期待を裏切らない美味しさ
- 色々な種類を少しずつ楽しめる、小ぶりなサイズ感
これらは、日本のパン職人が長年培ってきた、素晴らしい文化です。
最近では、福岡の「ダコメッカ」さんのように、日本でも韓国のベーカリーのようなエンターテイメント性の高いお店が絶大な人気を集めています。
日本のパンの持つ「丁寧さ」や「安心感」という良さを大切にしながら、韓国のパンが持つ「人を惹きつける見せ方」や「心躍るような楽しさ」をどうやって取り入れていけるか。
それが、これからの「ひとぱん工房」にとって大きなテーマになりそうです。
研修旅行の学びを、これからの「ひとぱん工房」へ
今回の韓国研修は、本当に多くの発見と学びがある、実りの多い旅となりました。
スタッフ一同、たくさんの刺激を受け、「もっと美味しいパンを作りたい!」「お客様にもっと喜んでもらいたい!」という気持ちを新たにしたところです。
「ひとぱん工房」では、9月から秋の味覚を使った新商品が続々と登場する予定です。
もしかしたら、この韓国旅行で得たヒントが活かされた、ちょっと意外で面白いパンがお店に並ぶかもしれませんよ。
これからも、皆さんの日常にささやかな幸せをお届けできるようなパン作りを目指して、日々努力を続けていきます。ぜひ、今後の「ひとぱん工房」にもご期待くださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。