日本の小麦農家は実はとっても稼いでる??

令和3年の最新の資料によると、麦の販売農家数は直近10年間で約4割も減少、、約100万戸となっています。
日本の小麦の自給率が上がることを願っている私にとってはショックな数字かと思いきや、1経営体あたりの作付面積(植付けし、発芽あるいは定着した作物の利用面積のこと)が増えているので、実は生産量に大きな変化はないそうです。
高齢になった農家さんが跡継ぎがいないという理由で引退することが農家数を減らしている原因と仮予想し、ではなぜ生産量が増えているのか、を私なりに調べた結果を紹介します。
資本力のある農家の増加
広い農地を持てば持つほど、大きな機械を導入し、効率よく生産することができるので、より資本金や農地拡大できる力のある農家が増えている。
農家というより、農業ビジネス経営者。
小麦の品種改良の成果
品種改良により収穫量が高い麦が開発され、そのおかげで生産量が増えています。
栽培しやすくて、より安定して育ち、収穫量が高い小麦の開発に成功しているようです。
性能の進化した機械の導入

さらに機能性の高い機械導入により、労働時間はどんどん短くなっています。
カロリーベースの高い作物(米・小麦・大豆)には補助金制度があり、専業でも兼業でも生産者を支えています。
8割の農家が兼業農家
小麦は育ちにくいし大変、という情報もありますが、現在における農家の8割は兼業農家だそうです。
片手間でできる作物といえば、米・大豆・小麦。
確かに「身近に土地があるので小麦栽培してみた」という知り合いの方が言うには、小麦は育ちやすくて楽だと言ってました。
野菜とは違って収穫してからが精米、製粉などの工程があって手間はかかるのでしょうが。
10aの土地で米や小麦(カロリーベースの高い作物)を片手間で育て、それでは生活できないので「普通の仕事」に努める。
10aの土地にかかる労働時間は29時間ほどだそうなので、たしかに休みの間に片手間でできてしまいそうです。
小さな土地があるから、農家というより副業で、補助金も生活費の一部にする。
農業で生活しようとすると広い土地が必要なので、土地の小さい8割の農家が兼業農家になっているのです。
ただ、なぜか小麦の値段はなかなか安くはならない。。。
その理由を農水省の資料含め、あらゆる情報を探りました。
10aあたりの小麦の生産費

「稼げる状況」とは、需要と供給のバランスが取れ、低コストで生産力があること。
小麦農家の場合、需要と供給のバランス・コスト・生産力という条件以前に、かなり手厚い補助金で守られていることがわかった。
つまり、生産があれば、どんどん儲かる仕組みになっている。
でも、それはすごく良いことだと思う。農業は命を守るライフラインなので、守られてしかるべき。
しかし、国産小麦をもっと手に入れやすく流通しやすいものにしなければ膨大なマークアップも補助金も意味がない。
はたして国民に還元されているのだろうか。
小麦の生産量は横ばい
実際、国産小麦の更により良い品種が開発されたり、国産小麦への注目度が高まってはいるけど、生産量は横ばい。

生産量だけの結果をみると、残念ながら増えていないのが図でわかります。
ただ、耕地面積が減少しているのに生産量は維持している。
ということは、沢山の農家ではなく、一部の農家が生産力をつけてきているという結果になります。
とある滋賀県にある米農家さんが「ゆめちから」という品種を使って、米の所得の3倍にもなる収益を上げているらしいネット記事を見つけました。
とにもかくにも「ゆめちから」の安定性、収穫量が凄いとのことで「ゆめちから」ができたのは、長い小麦の品種改良史からみてもごく最近。
北海道の(独)北海道農業研究センターで生まれた優良認定品種です。
品種のポテンシャルの高さゆえ、厳しいといわれている国産小麦農家でも、なんとかやっていけるではなく、稼げると断言しているのだ。
稼げるとは、小麦が消費者に回っているという意味で、素晴らしいことだと思う。