【銀座グルメ巡り】行列のできるカレーの名店「ナイルレストラン」と、お隣の話題のジャムパン専門店「月と花」に行ってきた
今回は、用事があって久しぶりに銀座へお出かけしてきました。せっかくなので、以前からずっと気になっていた、行列のできるカレー屋さん「ナイルレストラン」でランチをすることに。
この記事では、
- 日本最古のインド料理店「ナイルレストラン」の名物「ムルギーランチ」の詳しい食レポ
- ムルギーランチより辛い!?「マトンカレー」の感想
- お隣で見つけた話題のパン屋さん「銀座 月と花」の”大人のジャムパン”の魅力
など、銀座で出会った美味しいものたちを、パン屋の店長目線も交えながらたっぷりご紹介します。銀座でのランチや手土産選びの参考になれば嬉しいです。
銀座でランチ!日本最古のインド料理店「ナイルレストラン」へ

主婦にとって銀座は、何か特別な用事がないとなかなか足を運ばない場所かもしれません。私もその一人で、この日もひとぱん工房のお菓子の納品があったからこそ訪れたのですが、せっかく来たからには美味しいものを食べたい!と思います。
そこで向かったのが、以前からお店の前を通るたびに行列ができていて、ずっと気になっていた「ナイルレストラン」さんです。
調べてみると、なんとこちらのお店、1949年創業の日本で最も歴史のあるインド料理店なのだとか。そんな由緒あるお店だったとは…!期待に胸が膨らみます。
お店に到着すると、やはり数人の方が並んでいました。でも、「今日は絶対に食べるぞ!」と心に決めていたので、私も列の仲間入り。並んでいると、前の男性が常連さんだったようで、親切におすすめを教えてくれました。
「ここに来たら、9割の人がムルギーランチを頼むよ。これが一番のおすすめだから」
そんな風に言われたら、頼まないわけにはいきませんよね。初めての訪問は、郷に入っては郷に従え。迷わず名物メニューをいただくことに決めました。

これが伝説の味!名物「ムルギーランチ」を実食レポート

店内に入り、早速「ムルギーランチ」を注文。周りを見渡すと、本当にほとんどの方が同じものを食べています。
しばらくして運ばれてきたのは、黄色いターメリックライスの上に、大きな骨付きの鶏もも肉がドーン!と乗った一皿。その周りには、黄金色のカレーソース、マッシュポテト、そしてくたっと煮込まれたキャベツが添えられています。
すると、店員さんが慣れた手つきでナイフとフォークを持ち、目の前で鶏肉を骨からホロホロと外して、身をほぐしてくれるんです。このパフォーマンスも、なんだか特別感があってワクワクしますね。
そして、店員さんから「全部よく混ぜて食べてくださいね」との指示が。
え、混ぜちゃうの!?
ターメリックライス、カレーソース、ほぐした鶏肉、ポテト、キャベツ…。一見するとバラバラな要素を、お皿の上で思い切って混ぜ合わせるのがナイルレストラン流なのだそうです。
おそるおそる全体を混ぜて、スプーンで一口。
…美味しい!!
口に入れた瞬間、様々なスパイスの香りが鼻に抜け、後からじんわりと辛さが追いかけてきます。7時間も煮込まれたという鶏肉は驚くほど柔らかく、スパイシーなカレーソースとよく絡みます。
そして、この混ぜごはんの最大の魅力は、脇役たちの素晴らしい仕事ぶりです。
- キャベツの食感: くたっとしているのに、程よいシャキシャキ感が残っていて、単調になりがちなカレーライスに軽快なリズムを与えてくれます。
- マッシュポテトのコク: ポテトにはバターか何か乳製品が使われているのでしょうか、まろやかでクリーミーなコクがあります。これがスパイシーなカレー全体を優しく包み込み、味に深みと一体感を生み出しているんです。
これら全てが一体となることで、まさに「完成された一皿」という言葉がぴったりの、絶妙なハーモニーが生まれていました。
最初は「そんなに辛くないかな?」と思っていたのですが、食べ進めるうちにスパイスが体に染み渡るのか、じわじわと汗が…。気がつけば、店内にいたお客さんたちは、会話もそこそこに、目の前の一皿に没頭していました。美味しい辛さに、みんな夢中になっていたんですね。
辛党さんにはこちら!「マトンカレー」も絶品でした

実はこの日、私はムルギーランチを、一緒に行ったジャム兄はマトンカレーを頼んでシェアしました。
このマトンカレーが、また個性的で美味しかったんです!
ムルギーランチが「旨辛」だとしたら、こちらは「キレのある辛さ」。ムルギーランチよりも一段階辛く感じました。
ルーは、いわゆる日本のドロッとしたカレーとは違い、南インドカレーのようなサラサラのテクスチャー。これがご飯によく染みて、スルスルと食べられてしまいます。
主役のマトン(羊肉)も、臭みは全くなく、驚くほど柔らかく煮込まれていました。ルーの中には、玉ねぎだけでなく、ジャガイモが溶け込んでいるのか、サラサラなのにどこか滋味深いとろみも感じられます。
ただ、本当に辛かった!後半は、ボクサーがジャブを打たれ続けた後のように、辛さがじんじんと体に響いてくる感じ(笑)。辛さの調節もお願いすればできたのかもしれませんが、このストレートな辛さがクセになりそうでした。
辛いものがお好きな方には、ぜひマトンカレーも試してみてほしいです。
偶然の出会い!お隣のパン屋さん「銀座 月と花」

ナイルレストランの行列に並んでいるとき、後ろにいた女性のお客さんが「お隣のパン屋さんも、最近メディアでよく取り上げられていて話題なんですよ」と教えてくれました。
その名も「銀座 月と花」さん。
なんと、“大人のジャムパン専門店”なのだそうです。カレーでお腹はいっぱいでしたが、パン屋としては見過ごせません。もちろん、食後に立ち寄ってみました。
お店のキャッチコピーは「ジャムを食べるためのパン」。その言葉通り、ショーケースには色とりどりのジャムパンが宝石のように並んでいました。
私が購入したのは、ブルーベリー。外見は結構大きくてハード系のパンですが、パン職人目線で見ると、いくつかこだわりが感じられます。
パン生地は外国産の小麦を使い、軽い食感に仕上げているようです。おそらく、主役であるジャムの風味を邪魔しないように、あえてシンプルな配合にしているのでしょう。パンに切り込みを入れてジャムを詰めているようですが、もしかしたら中を少しくり抜いているのかもしれませんね。
そして、製造にはコンベクションオーブンを使っているようでした。熱風で効率よく焼き上げるコンベクションオーブンは、パンの水分を飛ばして軽く、クラスト(外皮)をパリッとさせるのに向いています。まさに、ジャムのジューシーさを引き立てるためのパン作りに最適な選択だと感じました。
主役のジャムは、フルーツそのもののフレッシュな味わいを大切にしているのが伝わってきます。甘さ控えめで、果肉感がしっかり残っている、まさに「大人のためのジャム」。パン生地とのバランスも絶妙で、ペロリといただけてしまいました。
銀座の美味しい思い出と、これからのこと
そういえば、前回銀座に来たときは「Seabird Colony」さんというお店で、スリランカ料理のビリヤニをいただきました。こちらも、スパイスの香りがふわっと立っていて、本当に美味しかったんですよね。銀座には、まだまだ知らない美味しいお店がたくさんありそうです。

今回の銀座散策も、美味しいカレーと素敵なパン屋さんとの出会いがあり、とても充実した一日になりました。新しい味に出会ったり、作り手のこだわりを感じたりすることは、同じ食に携わる者として、本当に刺激になります。
さて、私も自分の工房に戻って、またパン作りに励みたいと思います。
「ひとぱん工房」は、今年いっぱい、今の市川市曽谷の場所で営業させていただきます。こうして毎日パンを焼き、皆様にお届けできることに心から感謝しながら、年末まで全力で駆け抜けたいと思っております。
残り少ない期間ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいね。