やらない後悔より、やって大成功

先日、M-1グランプリ2024を見ていたら、令和ロマンさんが放った「やらない後悔よりやって大成功」という一言に、思わず笑ってしまいました。
笑いの余韻に浸る中で、ふとこれまでの自分の決断や後悔について思いを巡らせました。
私は、非常に臆病な人間です。
ひとぱん工房をオープンしたときも、まず家賃が極力安い場所を探し、機材も最低限で済ませました。
店舗の壁紙に至っては、「プロに頼む予算なんてない!」と、YouTubeで張り方を調べて自力で貼り替えたほどです。
さらに、最初は店舗営業ではなく、レストラン向けの卸売業からスタートしました。
直接お客様と向き合う「店舗営業」に対する不安が大きすぎたからです。
そんな私に転機が訪れたのは、ある日の午後。
いつものように卸用のパンを焼いていると、近所のご婦人がふらりと訪れ、「ここはいつオープンするの?楽しみにしているのよ」と、にこやかに声をかけてくださいました。
その言葉が妙に耳に残り、その後も「ここのパン屋さん、もうすぐ開くらしいわよ」という噂話が少しずつ広がっているのを感じました。
「これはもう、やるしかないのかもしれない」と思い立ち、急いで販売用のテーブルやラックを買い揃えました。
そして、ついにひとぱん工房は地域の皆さんに向けて扉を開きました。
今振り返ると、最初から店舗営業をしても良かったのかもしれません。
でも当時の私は、店舗を開けてお客様が来なかったらどうしよう、という恐怖に囚われていました。
心配しすぎて、起こりもしない失敗のシナリオを何通りも頭の中で描いていたのです。
令和ロマンさんの言葉を思い返しながら、「あのときもっと大胆に動いていれば」と思う部分もあります。
それでも、今の私がいるのは、その臆病さと慎重さがあったからこそ。
そして、一歩踏み出したときにしか見えない景色があるのも確かです。
ある研究によると、「人は行動したことよりも、行動しなかったことを後悔しやすい」といいます。
パン屋を始めた当初の私に、今の私が声をかけるとしたらこう言うでしょう。
「やらない後悔より、やってみたら?」と。
ひとぱん工房は、こうして少しずつ成長してきました。
今では、起こりもしない未来を不安に感じるのではなく、自分の人生が終わるときにする後悔を、少しでも減らしたいと思っています。
みなさんも、もし迷っていることがあれば、この言葉を思い出してみてください。
「やらない後悔よりやって大成功!」(笑)