パン屋の新商品開発秘話
今日は、パンの講習会に参加しに行きます。
パンの講習会って、どんなことを教わるんですか?
今回のテーマは「売れ筋商品の提案」です。
お店にもヒントになることがあるかもしれないし、もちろんパンの作り方もアップデートできたり、気づきが得られることもあるでしょう。
そもそもひとみ店長の新商品のアイディアは、お店を開業してからどうやって出してるんですか?
パン屋さんの新商品開発の裏側
パンというものだけにとらわれず、料理やお菓子などあらゆる要素からひらめきが得られたり、過去に学んだことの延長線上から、ふとアイディアが出たりします。
イメージを形にするためには試作もそうですがリサーチも結構大事で、本やYouTube、インターネットなどで勉強しています。
ネットは特に多く使っていますね。
本は基礎知識を得ることが多いですが、今の時代いろんな人が動画として気づきをアップしていたりしますし、開業していないけれどパンの知識や面白いパンの作り方をしている人もいます。
パン屋さんで働いていた時、新商品のアイディア出しは従業員がやっていたのですか?
それともシェフやオーナーさんが新商品を決めていくのですか?
私が勤めていたお店は、あまり新商品を出すことのないお店が多くて、決まった人気商品があり、それを繰り返し作ることが多かったですね。
新商品の提案を出したこともあったんですが、そういう流れやシステムはあまりなく、オーナーシェフが考えて商品化している感じです。
将来パン屋さんになりたいと思ってパン屋さんで働いている人は、自分のパンを作ってみたいという夢があるわけですよね。
なかなか自分の考えたアイディアを新商品にすることができないというのは、ジレンマですね。
そうですね。
修行時代はアイデアノートに書き溜めて置いたり、休みの日に試作したり、という感じで過ごすしかないかと思います。
ある程度、自分で美味しいと思えるパンを焼けるという自信がないと、開業する勇気も湧いてこないわけですからね。
お店を開業したら、思う存分自分のパンを焼けますし、お客様が手に取るか取らないか、ダイレクトに評価を突きつけられます。
ひとぱん工房でも、新商品を作っては全然ダメで、もう作らないと決めた商品もたくさんあります。
作りたいパン、売りたいパンを作るのはとても楽しいですが、大切なのはお客様に買ってもらうこと。
なので、「この美味しさをわかってほしい」「わかってくれる人に来てもらえたらいい」という考え方は危険です。
お客様の反応、レジスタッフの意見、売れ残りなどにしっかりアンテナを張り、お客様が求めている商品を作ることが大切です。
なるほど、そういう面から見ると、飲食業界は結構大変ですね。
アイディアを出して、材料を揃えて試作して作ってみて、自分の思うような味が決まって、いざ店頭に並べても売れるか売れないかはわからないですからね。
豆乳バターのコッペぱん誕生秘話
これはパンに限った話ではないですが、思った結果が得られないことの方が多いかもしれません。
でも、お陰様でひとぱん工房は比較的新商品が売れやすい傾向があります。
多くのお客様が食べていなくても、「このお店のパンならきっと美味しいはず」と思ってくれているかもしれませんし、新しいもの好きな方が多いのかもしれませんね。
これまで、「ひとぱん工房」で意外に売れている商品は、豆乳バターを使ったコッペぱんです。
この商品を思いついたきっかけは、業者さんから豆乳バターという商品の紹介を受けたことでした。
ひとぱん工房のパンは、食感がしっかりしていて、むっちりずっしりとしたものが多く、サクサクやふわふわといった食感のパンは少ないんですよね。
なので、ひとぱん工房のパンの中で個性を出すために、巷に溢れている軽くて柔らかい食感のパンを、豆乳バターを使って作りました。
ふわふわと柔らかくて、軽くて食べやすく、甘くて美味しいというパンは、本当にみんな大好きな味。
食べ慣れている安心感もあるのかもしれないし、国産小麦で作ると本当に美味しい。
一気に人気商品となりました。
豆乳を使っているので、健康志向の方にも好まれていますし、豆乳バターは普通のバターよりも安いので、販売価格も抑えられ、ここも人気のポイントです。
原材料や原産国にちょっとシビアなひとぱん工房は、業者さんの提案商品をなかなか受け入れないのですが、豆乳コッペパンが生まれたきっかけは企業提案だったので、本当に感謝です。
これからも、さらにGOODな商品を開発していけるよう頑張ってまいります。
ここまで読んでくださりありがとうございました。