パン屋開業前にやっておけば良かったこと
(前回の動画の話の続き)
ジャム兄:
今後パン屋さんとか始めたいという人は、包材屋さん選びもお客さんの手に取ってもらうための戦略として、結構重要だったりするわけだよね。
ひとみ店長:
そうですね。
私は本当にその辺り(包装関連)が弱い部分だと思うんですけど、見た目でお客様は瞬時に価値を判断して買われると思うんですよ。
だから、すごく凝ったラッピングだったりとか。
ジャム兄:
スターバックスのサンドイッチとかって、おしゃれな袋に入ってて、商品名や商品の写真が印刷されたシールが貼ってあったりするもんね。
ひとみ店長:
そうそう。
一気におしゃれになるんですけど、それを一つ一つ印刷して作るっていうのは、きっと売れるからこそやってるんですよね。
やらないよりもやった方が売れるっていう戦略で。
ジャム兄:
ひとみ店長がパン屋さんを実際に開業してみて、「ここはもうちょっと勉強しとけばよかったな」っていうことはあったりします?
ひとみ店長:
そうですね。
全然知らない土地で始めたっていうのが大きかったです。
生まれ育った土地ではないところに引っ越して、お店を決めて、テナントを決めてスタートしたので。
正直、大工さんとか電気屋さん、水道屋さん、設備屋さんとかって、普通は修行先のつながりで紹介してもらったりするじゃないですか?
ジャム兄:
はいはい。
ひとみ店長:
従業員が独立するから「じゃあ内装をやってあげるよ」みたいな紹介って、地域ごとの支え合いがあるんですよね。
でも私の場合、そういうつながりが全くなくて。
ジャム兄:
あー、なるほど。
ひとみ店長:
だから自力で大工さんとかを探さなきゃいけなくて、そういう信頼関係を一から築くのが大変でした。
特に私が交渉に立つと「女の子だし若いから」って舐められることもあって、本当にトラブルが多かったです。
ジャム兄:
ああ、そういうのって、後から考えると「最初にちゃんとつながりがあれば」って思うね。
ひとみ店長:
そうなんです。
あと「中卸業者さん」ですね。
パンの食材、例えば、あんことか小麦粉とかを卸してくれる業者さん。
最初はそれも全然つながりがなかったので、自分で買いに行ったり、ネットで購入したりしていました。
ジャム兄:
ネットだとやっぱり高い?
ひとみ店長:
ものによりますが、パン専門の中卸業者さんに頼む方が断然安いんですよね。
バターとかも市場価格より安く仕入れられるので。
最初は知らなかったので、値段も高かったし手間もかかっていました。
ジャム兄:
中卸さんに頼むと、いろんな種類の食材をまとめて発注できるのもメリットだよね?
ひとみ店長:
そうですね。
一つ一つネットでポチポチ注文する手間も省けますし、店舗まで届けてもらえるのも本当にありがたいです。
ジャム兄:
開業前って、その辺りって1ミリも考えないよね。
パンの美味しさや焼き方は追求するけど、大工さんとか電気屋さん、中卸業者さんとかのことって。
ひとみ店長:
本当にそうですね。
あとマネジメントも難しかったです。
修行時代には後輩に教えたりもしていましたけど、店舗を始めるとオーナーとしての人との関わりはまた違いました。
ジャム兄:
ひとぱん工房、最初は従業員が11人もいたんだよね?
ひとみ店長:
そうなんです。
組織としては小さいですけど、私の修行先は組織運営がうまくいっていないお店ばかりで、良い例を見れなかったんですよね。
ジャム兄:
ミーティングとかも、無かった?
ひとみ店長:
そうですね。
横のつながりもなく、ただシェフの顔色を伺って1日が終わる、みたいな感じでした。
当時の経験は反面教師になりましたが、オーナーサイドの立場やスタッフとの距離感は今も手探りですね。
ジャム兄:
オーナーとしての一言って、やっぱり影響力が大きいんだね。
ひとみ店長:
そうなんですよ。
些細な一言でも受け取り方が違うので、いつも「自分はどうしたいのかな?」って問いかけながら運営しています。
ジャム兄:
まだまだ模索中という感じ?
ひとみ店長:
そうですね。
センターピンとしては「国産小麦の普及」や「日本の食料自給率アップ」という目的はぶれずに、それを実現するために土台の部分、例えばマネジメントやお客様との関わり、新商品開発など、細かいタスクを積み重ねている感じです。
ジャム兄:
これからパン屋さんを開業したい人にアドバイスするとしたら、大工さんや中卸業者さん、水道屋さん、電気屋さんなど、今のうちから紹介でつながりを作っておくといいってことだね。
ひとみ店長:
そうですね。
紹介、大事です!