パン屋開業の夢を叶えるまでの体験談「苦労を克服するためにしてきたこと」
ひとみ店長は「パン屋さんをオープンしたい」って20歳ぐらいの時に思ってから、それを今実現してますよね。
実現するためのルールというか、自分の中で大切にしてきた事があったりするのですか?
そうですね、夢を叶えた人は「行動」が絶対あって、夢を叶えていない人は「行動」がないという違いを実感します。
思うだけでは絶対夢には近づかないんです。
みんな夢を叶えたいと思うけど、本当に夢を叶える人とそうでない人がいるということですね?
はい、その通りです。
その違いは「行動」しかない、とはっきり言えます。
夢を叶えるために必要なもの
私の体験上ですが、その行動は「絶対これをすれば叶う」という具体的な方法はないと思うんです。
なぜなら、すごい本読んで成功する人もいれば、全然本に興味なくて読んでないけど成功した人もいるように、夢を叶えた道のりは、人それぞれだからです。
「これをすれば夢を叶えられるだろう」と信じた事を、行動に移していることが一番重要だと思います。
「回り道したくない」や「確実な方法を知りたい」とか、「最短で行けるには」と考えたり、失敗することを恐れると、夢はどんどん遠ざかっていくような気がします。
私はポジティブなので、「信じた方法が間違っていた」とか「運が悪かった」なんてのは、正直「道半ば」という捉え方です。
そして、私の場合、何度も壁にぶち当たった感覚があるのですが、その時に「諦めない気持ち」があるかどうかも大事です。
無理かもしれないと思うことが何度もあって、その度に「他の方法は?」と自分に問いかけていました。
自分なら叶えられると信じているという強情な性格だった、というのもあるかもしれません。
簡単には諦められない。
なぜなら、どうしてもそれをしたいから。
と考えてきたと思います。
そんな人間、誰も止めれませんね。(笑)
パン職人修行中の挫折
ひとみ店長は自分のお店持ちたいとか起業しようってなった時に、周りから反対はされましたか?
反対はあったかもしれません。
でも私の中では、捉え方が違いました。
反対されたような人は思い浮かびません。
もし周りに強く反対されていたとしても、夢を叶えるのは私にとっては当たり前の事だったので。
むしろ開業してからいいお店にできるかどうかを心配していたので、「夢を諦めるか、諦めないか」という選択をすることは絶対にありませんでした。
開業することが当たり前だったから、悩むこともなかったということだね。
でも、これじゃ、いつまで経ってもお店はできない!って目の前真っ暗になってわんわん泣いたりした時もあります。
目の前に壁が「ドーン!」と立ちはだかって、さすがの私も真っ暗。
本当に視界が、世界が見えないという状況を体験しました。
修行してる時ですね。
心折れるって、こういうことか、という感じでした。
それは具体的にどんな状況だったのですか?
あれは、とある修行先でのことでした。
最初、そのお店のパンが作れるようになりたくて入社希望の電話を入れて、オーナーに直接面接となりました。
そこで入社理由を確認されたので、「将来パン屋さんを経営したい」「自分でこのお店のパンが作れるようになりたいので、勉強させてください」と伝えました。
「給料の額も労働時間も気にしません、なんでもします。」と伝えると、オーナーは採用を即決してくれました。
ここで私は重大な勘違いをしていたんです。
「採用イコール、パンを作れるよう教育してくれる」と思い込んだことです。
そのように技術は、社長から従業員へ伝承されていき、のれん分けのようなイメージで修行した人は開業していくのだと思っていました。
当時は父からも、板前さんはそのように修行していくと話を聞いていたことも大きかったと思います。
(今思うと、若くてあまちゃんでした。笑)
そして修行をしていく中で、徐々に「このお店のパンを作ることは許されない」というオーナーの方針に気付きました。
そりゃそうですよね。
同じ商品が世に出るのはそのオーナーもビジネス的に困る。
ライバルが増えるということなので、嫌だと思う職人さんがいてもおかしくないのですが、当時の私は馬鹿正直に信じていたものですから「裏切られた」と思い込んでしまい、真っ暗になりました。
なぜ、そう気付いたのですか?言われたのですか?
人を尊重することの大切さ:料理人の世界からの教訓
よく考えたら、そのお店の中で「絶対誰にも任せない」というポジションがあることには気付いてまして、でも何かの奇跡が起こって、私がそのポジションをできるかもしれない。と信じていました。
そんな私を哀れに思ったのか、先輩から「シェフがお前には絶対教えないって言うとったぞ(関西弁)」と言われて、ようやく私がやりたかったポジションは一生任せてもらえないのだと気づきました。
3年以上そのパン屋さんで働いて、とても仕事が辛かったので、精神崩壊しかけました。
今振り返ってみると、私はよくそれほどの挫折から「また自分なら開業できる」と思うようになったな。と関心します。(笑)
そう思うと、あの時の粘り強い自分に感謝ですね。
当時のオーナーの様子を振り返ると、技術を盗むことに必死なスタッフに対して「他人の力(技術やレシピなど)で成り上がるな!」と思っていたかもしれません。
そのような人間関係のトラブルもあったため、私がどこで修行していたかの店名は簡単に言えないのです。
辞表を出して、快く応援して送り出してくれたオーナーは私の経験上いないですし、有名でテレビにも出るようなパテシエさんは、スタッフが辞意を伝えるとブチギレて無視し続けて、険悪な状態でお礼も言えず退職するしかない環境を作っていると聞きました。
オーナーからすると、よっぽどスタッフが辞めることが嫌なんだね。
料理人の世界では、「物」に向き合ってきた人が「人」に向き合えないことはよくあることです。
従業員を「物」だと思ってコントロールしてみても、コントロールできないと思ったときに、どうしようもなく悔しくて辛くて、怒りに変わってしまうのかもしれません。
私も人間ですが、そうはならないように気をつけたいです。
卒業したスタッフが次々と独立するような、経営者さんももちろんいらっしゃいますので、全ては経営者やオーナーの考え方ひとつだと思います。
前述のようにパン屋さんで、何年も任されるポジションが変わらないことはよくあることです。
例えば、人がなかなか入らないとか続かないとかいう理由で、どうしてもできる人がそこのポジションを移動できないことはあると思います。
中にはやりたいポジションを任されるまで、5年も10年も待つ人もいるかもしれません。
オーナーから「いつかは、希望のポジションに行かせるからな」という言葉がけや「今のポジションが技量足りてないからまだ頑張れ」とか声かけてもらえると、スタッフは頑張ろうって気になると思うんですよね。
熱量のあるスタッフは、ある意味そこを「働く理由」にしてますからね。
私の場合は、オーナーからそのような声がけが全くなかったので、嘘とか言えない性格だったのかもしれません。(笑)
経営者となった今では、その時のオーナーの気持ちは、なんとなくわかるんですよね。
どんな感じなんですか?
スタッフがなかなか続かない、採用してもすぐ辞めていくとか、技術を教えても言う通りできないとか…。
オーナーも人間なので、予想できない人に向き合うことに不安とか恐怖があったのかなと思います。
裏切られたような気持ちと言いますか。
人を通して、結局自分のできなさを痛感することになりますので、向き合えば向き合うほど、自分に強さがないと苦しいのだと思います。
人間不信になっていたとしたら、簡単に技術を教えるのは嫌だと思いますし。
教えたら独立してライバル店になる可能性もあるので、経営者としてはいかに長く技術を学んで辞めずに続けてくれるかもお店を守るためには大事でもあるんです。
「ある程度学んだらスタッフが出ていってしまう」だと、お店も成り立たないので、難しいところですよね。
話を戻しますと、私自身、任せてもらえると思っていたポジションが任せてもらえないと分かると、「裏切りだー!」みたいに一方方向しか見えなかったんです。
そこも踏まえ、当時の自分のようなスタッフの気持ちには今も寄り添えますし、ひとぱん工房はスタッフの人生を応援するようなお店でありたいです。
夢を叶えるための質問
真っ暗で心折れた時、どう立ち直ったの?
恥ずかしながら、なぜか気がついたら父に電話してて、ワンワン泣いていました。
すごい粘り強い父が、ずーっと静かに私の話を聞いて「そんな店早く辞めちまえ」って言ってくれたんです。
一通り父に話を聞いてもらったら、冷静になったので。
「確かに意味ないじゃん、働いていても」ってなったんですよ。(笑)
超冷静に思ったんですよね。
オーナーが好きでオーナーの為に働きたいのか。
そのオーナーが作るパンが好きで働きたいのか。
理屈なくそのお店で働くことが好きなのか。
何かしらの強い理由がないと居れない世界なんです。
飲食業界は厳しすぎて。(もちろん、中には優しい職場もあると思いますよ。)
私の場合は、絶対開業するために、このお店のパンの技術を学んで作れるようになる!っという強い意志。
これがあったから、何度も辞めそうになっても、続けてこれました。
なので、その理由が切れてしまったら続けることはできない。というわかりやすいタイプでした。
その後は、「じゃあ、他のパン屋さんにまた修行しに行こう!!」って切り替えてました。
切り替え早いな。(笑)
目の前に壁が「どーん!」って出てきて、泣いて、冷静になって、うろうろして、壁づたいを歩いていたら、壁がなくなってた。って感じです。(笑)
自分は夢を叶えて当然だ!って思っていたので、
「他にどのような方法がある?」と何度も自問自答を繰り返していたら、夢がいつの間にか叶っていたのです。
でも、私の目標地点はまだまだ先なので、まだまだ進んでいきますよ♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。