ひとぱん工房、新店舗へ!初心者スタッフと作る「新しいパン屋のカタチ」と想い

hitopan

こんにちは! ひとぱん工房の店長、ひとみです。

気がつけば2025年も残りわずか。
年末の慌ただしい時期ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

今回は、YouTube「ひとぱんラジオ」でもお話しした、この1年の振り返りと、来年2026年に控えている新店舗オープンへの想いを、綴ってみたいと思います。

お店に来てくださるお客様、そしてブログを見てくださる方々のおかげで、今年も無事に走り切ることができました。本当にありがとうございます。

2024年までとは違う「忙しさ」の意味

「今年1年、どんな年でしたか?」

そう聞かれて真っ先に思い浮かぶのは、「これまでとは質の違う忙しさがあった」ということです。

2024年までは、どちらかというと少数精鋭で、目の前のパン作りに没頭して走り続けてきた感覚でした。
しかし2025年は、ありがたいことにこれまで積み重ねてきた信頼がお仕事として舞い込むようになり、お店としてのステージが一段上がったような感覚がありました。

そして何より大きかったのが、新店舗(東松戸)の準備です。

新しいお店を始めるにあたって、一番大切なのは「人」だと思います。
今年はスタッフの募集を行い、たくさんの素敵な方々と面接をし、新しい仲間を迎えることができました。

スタッフが増えるということは、それだけ「教える時間」や「仕組みを作る時間」が必要になるということ。
パンを焼くだけではなく、チームを作るための忙しさが、この1年を充実させてくれました。

来てくれたスタッフの皆さんは、本当にいい人ばかり。
トラブルもなく、前向きに技術を学ぼうとしてくれる姿に、私自身も日々励まされています。

「見て盗め」から「マニュアル化」への大転換

新店舗に向けて私が一番力を入れていること。
それは、「初心者の方でも美味しいパンが作れる仕組みづくり」です。

パン屋さんの世界って、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?

昔ながらの職人の世界だと、「技術は見て盗むもの」「言葉で教わるなんて甘えだ」……そんな空気が当たり前でした。
実際、私自身もそういった環境で修行をしてきました。

私はどちらかというと「短期集中型」のタイプ。
一度「こうやるんだ」と決めたら、体に染み込むまで何度も何度も繰り返し、短期間で技術を習得してきました。
だから正直に言うと、最初は「自分と同じようにやれば覚えられるはず」と思っていたんです。

でも、今回のスタッフ募集で集まってくれたのは、未経験の方や、限られた時間で働く主婦の方が中心です。
特にひとぱん工房は、現在は土日営業がメイン。
スタッフによっては、週に1回しかシフトに入れないこともあります。

週に1回の作業だと、1週間前の記憶を呼び起こすだけで精一杯になってしまうんですよね。
「あれ? ここどうだったっけ?」と不安なまま作業をするのは、スタッフにとってもストレスですし、何よりパンのクオリティに関わります。

そこで私は決めました。
「私の感覚だけで教えるのはやめよう」と。

令和のパン屋の育て方

今、私が取り組んでいるのは、徹底したマニュアル作り教え方の改革です。

人によって、覚えやすい方法は違いますよね。

  • 一部分の作業を切り取って集中して覚えたいタイプ
  • 「これはパンのどの工程なのか」という全体像(ゴール)を知らないと、頭に入ってこないタイプ

特に後者のタイプの方には、ただ「丸めてください」と言うだけでは伝わりません。
「これは最終的にこういう形のパンになるから、今の段階ではこの形にする必要があるんだよ」という、納得感が必要なんです。

だからこそ、

  • 動画や写真を使ったマニュアル
  • 全体像がわかる工程表
  • 後からいつでも振り返れるマニュアル

これらを整備することにしました。
「職人の世界だから」という常識を捨てて、働く人が「自信を持って作業できる環境」を作ること。
それが、結果としてお客様に美味しいパンを届ける一番の近道だと気づいたんです。

国産小麦のパンを、誰もが作れるように

ひとぱん工房のコンセプトは、「国産小麦を100%使ったパン」です。

国産小麦は、輸入小麦に比べて扱いが繊細な部分もあります。
でも、だからといって「熟練の職人しか作れない」としてしまうと、お店を続けていくことは難しくなります。

難しい技術も一部にはありますが、基本的には「みんなが練習すればできるようになる技術」に落とし込むこと。それが今の私の仕事です。

新店舗のオープンが迫り、スタッフのみんなも「間に合わせなきゃ」というプレッシャーを感じているかもしれません。でも、焦りは禁物です。

「どうやったらできると思う?」
「どの教え方が合ってる?」

そんな風に一人ひとりと対話しながら、心を一つに準備を進めています。
みんながパン作りの面白さを知って、楽しく働ける。
その楽しさがパンを通じてお客様に伝わる。
そんなハッピースパイラルが生まれるお店にしたいと本気で思っています。

新店舗・東松戸への挑戦と、お客様へのお願い

さて、いよいよ2026年は東松戸での新店舗オープンです!

正直に申し上げますと、オープン直後はバタバタしてしまうかもしれません。
未経験のスタッフも多い中で、最初から100点満点の完璧なオペレーションをするのは、正直難しいと思っています。

でも、私たちは「諦めずに改善し続けるチーム」でありたい。

「なんだこの店は?」と思わせてしまうようなことがあったとしても、そこですぐに見限らず、「ここ、もっとこうしたらいいよ」と声をかけていただけたら嬉しいです。
今の市川曽谷のお店も、右も左も分からない状態からスタートし、お客様からのご指摘やアドバイスをいただきながら、今の形に成長してきました。

新店舗でも、お客様と共に成長していく、そんなお店でありたいと思っています。
クレームも、ご意見も、すべて私たちの栄養にして、より良いお店を作っていきますので、どうか温かく、そして時には厳しく見守っていただければ幸いです。

曽谷店、最後の営業について

新店舗へのワクワクもありますが、長年親しんでいただいた曽谷店(市川曽谷)での営業も、いよいよカウントダウンに入りました。

曽谷店での営業は、2026年1月18日(日)が最終日となります。

残りの営業日は、以下の4日間のみです。

  • 1月10日(土)
  • 1月11日(日)
  • 1月17日(土)
  • 1月18日(日)

この4日間が終わると、新店舗準備のため、約1ヶ月ほどのお休みをいただくことになります。
少し寂しい気持ちもありますが、曽谷店での思い出を胸に、最後まで全力で美味しいパンを焼き上げます。

ぜひ、今のひとぱん工房の味を、そして曽谷店の雰囲気を味わいに来てください。
皆様にお会いできるのを、心から楽しみにしています!


2025年も、本当にたくさんの方に支えていただきました。
パンをご購入いただいた皆様、ブログを見てくださった皆様、本当にお世話になりました。

2026年は、ひとぱん工房にとって勝負の年。
新店舗という新しい舞台で、全力でパン作りと向き合っていきます。

これからも、応援していただけると、とっても力になります!
それでは、良いお年をお迎えください。
そして、2026年もひとぱん工房をどうぞよろしくお願いいたします!

\ 国産小麦のパンを全国へ /

ひとぱん工房の冷凍便

オンラインショップでは、店舗でしか味わえなかった手作りパンを「冷凍」でお届けいたします。
冷凍だからこそ、風味を極力逃さずに遠方の方でも焼きたてのような味わいをそのままにお楽しみいただけます。
お好きな時にオーブンやトースターで温めれば、国産小麦が香るふんわり食感をお家で再現可能です。

ABOUT ME
ひとぱん工房
ひとぱん工房
国産小麦100%のパン屋
国産小麦100%にこだわり、熊本と北海道から厳選した小麦を使用する「ひとぱん工房」は、毎週土曜と日曜日のみオープンする手作りパンのお店です。東京や大阪の有名店で10年以上修行を積んだ女性店長が、香り高い素材を引き立てるこだわりの製法で丁寧に焼き上げています。砂糖はミネラル豊富な鹿児島県産の粗糖、塩には沖縄県産のシママースを使用し、素材の旨みを最大限に引き出したパンをお届けします。小麦の豊かな風味とふんわりとした食感が特徴で、どれも素材本来の味わいを存分に感じられると思います。
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