パン屋さん開店直後の失敗と反省

hitopan

今回は、ひとぱん工房に起きた実際の話や、気づいたことをシェアできればなと思います。
店舗を構える一番のメリットは、「店舗前を歩く人に宣伝できること」です。

大体の場合、何のお店が準備中なのか、いつオープンなのか、ということを提示していると思いますが、あれ自体が無料でできる宣伝なんですね。

パン屋さん開店前からできること

ひとぱん工房を開業する前に、知り合いの経営者さんに優先すべき工事は「看板」だということを教えてもらったんです。
看板さえあれば、「ここに○○屋さんができるんだな〜」って伝わりますからね。
しかし、何屋さんかわからない看板だと、店名を早く覚えてもらっても意味がないので、印刷した目立つ紹介文でも良いので店頭に貼るべきだと思います。

「うちの店の前は、そんなに人が通らないしなぁ。」と思うかもしれませんが、たった一人の口コミが、1日、1ヶ月、1年の集客に絶対影響してきます。
その道を通る人は、特に来店されやすいお客様でもありますし、何より無料の広告ですからね。(笑)

ひとぱん工房をオープンする前にやったこととしては、食ぱんプレゼントクーポンを近隣300世帯に配ったことと、SNSの力も借りました。
SNSは、ツイッターとインスタグラムで、近所の方を地道にフォローしたりしましたね。

また、「市川にゅ〜すさん(市川市に特化したニュースサイト)」に告知していただき、知ったというお客様も多かったと記憶しています。
ローカルなのかもしれませんが、市川市を愛する人々へしっかり届く素晴らしいサイトがあることに感謝しました。

パン屋さんは口コミのスピードが早いような気がします。
食べることは身近なことなので、「近所にできる飲食店」というのは、多くの方の興味をひくのかもしれません。
ひとぱん工房も、最初は結構口コミで来店してくださる方が多かったと記憶しています。

通りすがりに話しかけてくださる方もいらっしゃいましたし、「まだか?まだか?と待ってるのよ」と嬉しい言葉をかけてくださる人もいらっしゃいました。
しっかり宣伝事項を提示していれば飲食(特にテイクアウト)は、近所のお客様が口コミで来てくれる可能性が高いと思いますね。

オープンした時は、スタッフは雇わずに始めました。
飲食店では、オープンスタッフ募集の求人もよく見ますが、すでに流れができているチェーン店だったり、最低人数を揃えないとお店として稼働しない、ということであれば募集は必要かと思います。
しかし個人店で、まだ何の流れも掴めていない1号店オープンのときは、まずは流れ(オペレーション)を確立すること、そしてお金の出入りの流れをだいたい把握できたら、弱い部分に資金を少しずつ投下していくのがいいと思います。

開店直後の反省点

ひとぱん工房のオープン当初の反省点としては、オペレーション(流れ)の準備不足と、口コミの効果を舐めていた、というところですね。
ひとぱん工房は、住宅街の中、人の通りも少ない、外観が目立たない(未だに)ような建構えだったので、初日はそれほどお客様は来ないだろうと控えめ予想でした。
ところが、オープンして3時間でパンが完売して閉店することになってしまいました。

イメージと違って、その都度作業が止まったりドタバタ。
最初がお客様には一番印象づくので、ここを疎かにすると、せっかく口コミで来てくださったお客様が、気分を悪くされると台無しになってしまいますね。

散々待って入ったのにパンがほとんどなくてガッカリした、というお客様も少なくなかったと思います。
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

オープン前日は、夜8時から徹夜で作り込んだ私にとっては、やれることはやったので、謝り倒した1日ではありました。
明日また頑張ろう、来週また頑張ろう、という気持ちで逆に燃えていました。

どれだけイメージしても最初は未確定なことが多すぎて、いっぱいいっぱいになるのは当たり前。
そこから地を固めるため毎週毎週、改善すればいいのです。
足りないものが具体的なので、迷うこともありません。
ひとぱん工房は、小さなスタートで本当に良かったなぁと思います。

コロナ禍直前に開業

お客様が無意識に採点されているポイントは、パンの味だけでなく、見た目、店内の雰囲気、接客態度などなど、いろんな総合点で判断されます。
パンが少ない、スタッフがテンパっている、味が微妙。
もし3つもマイナスが揃えば、もう再来店はない、と思ったほうが良いですね。

そして、これは「運」の話になるのですが、ひとぱん工房がオープンしたタイミングが「コロナ禍」のスタートとほぼ同時でした。
2019年の12月、海外で流行り風邪がある、という情報だけで誰がこの規模の社会的影響を想像できたでしょう。

飲食店としては厳しい年の始まりでしたが、それはお客様も同じで、どこにも行けない週末を過ごす苦しさ、があふれる時期でもありました。
ひとぱん工房はテイクアウトということもあり、来店されやすかったと思います。
気晴らしにお子様とご来店いただき、小さな楽しみ、ストレス解消に役立てたのだと思います。

その証拠に緊急事態宣言が出された月と翌月の売上は、未だに塗り替えることができないくらい、たくさんのお客様にご来店いただきました。
これは本当にたまたま、運が良かっただけで、本当の実力ではないんですね。

もちろん来店してリピートしていただいた方は、商品とかお店の雰囲気とか魅力を感じて再び来ていただいていたと思うのですが。
もうどこでもいいから行きたいっていう方も、もちろん中にいらっしゃったと思います。
社会の流れで集客数が増えたなら、社会の流れで集客数も減るということです。

個人の飲食店開業について

では、実力はいつ測ればいいのか?という疑問が浮かんできますが、オープンして3年以上やり続けているひとぱん工房は、コロナ禍が落ち着いた2023年からが、本当の通信簿だと思って日々奮闘しております。

以上を踏まえオープン前の告知は、ほどほどがいいと思っております。
大きく告知をせずに、しれっとオープンする感じです。
地味なオープンではありますが、ドタバタでお店の印象を悪くすることもなく、ゆっくり流れを確認でき、足りないものも把握できる。

話題性が高まるオープン時に、思いっきり集客を上げて、売り上げを獲得するっていう方法もいいんですが、それは本当に万全の体制ができてる場合ですね。
大手の飲食店さんとか、チェーン展開をしていて「〇〇店がオープンします!」となったとき、スタッフ大勢と、本部の人がバッチリ待機していたりしますよね。
ここ、スタッフ多すぎない?みたいな。
待機してるおじさんいっぱいいる、みたいな。(笑)

個人店はそうはいきませんので、シュミレーションはできる限り行い、しれっと余裕を持って運営をスタートしていくっていうのがいいのではないでしょうか。
あくまでも参考の1つとして聞いていただけますと幸いです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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オンラインショップでは、店舗でしか味わえなかった手作りパンを「冷凍」でお届けいたします。
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ひとぱん工房
ひとぱん工房
国産小麦100%のパン屋
国産小麦100%にこだわり、熊本と北海道から厳選した小麦を使用する「ひとぱん工房」は、毎週土曜と日曜日のみオープンする手作りパンのお店です。東京や大阪の有名店で10年以上修行を積んだ女性店長が、香り高い素材を引き立てるこだわりの製法で丁寧に焼き上げています。砂糖はミネラル豊富な鹿児島県産の粗糖、塩には沖縄県産のシママースを使用し、素材の旨みを最大限に引き出したパンをお届けします。小麦の豊かな風味とふんわりとした食感が特徴で、どれも素材本来の味わいを存分に感じられると思います。
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